読売 2002年5月26日 日曜版より

歌壇
(清水房雄選)
悲しみのひとつひとつを捨ててゆく机の中を整理してゐて 宮田修

(俵万智選)
しばらくの沈黙ののち出てゆきぬ窓に吊りたるモビール揺らし 諸井末男

十階の窓に桜の舞い込みて我が世界と和解をした日 飯島利栄子

ひたすらに不幸な事故を待つような真昼青空わたしはひとり 黒崎恵未

俳壇
(森澄雄選)
入学式効果かならず山河あり 伊藤順吉

(福田甲子雄選)
うぐひすの声まで写るかと思ふ 辺田苑

(正木ゆう子選)
入学児母確かめて起立せり 村上雪枝






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